個人用メールアドレスの運用方法を見直した

個人用メールアドレスの運用方法を見直してから約 1 年が経過し、実用に値すると感じたのでここに共有しておく。

Gmail との別れ

10 年ほど前からずっと Gmail を使ってきたが、Degoogle の一環としてメールサービスを移行することにした。 プライバシーの観点だけでなく、何らかの理由で Google のアカウントが停止された場合、Gmail も同様に停止される可能性があるため、このまま Gmail で運用していくことに若干のリスクを感じた。

移行先のメールサービス

プライバシーを考慮すると、だいたい移行先の候補としては下記のサービスが挙げられるだろう。

結論から言うと、mailbox.org を使うことにした。€1/月という優れたコストパフォーマンスが一番の理由だ。

Proton Mail は価格面の他にも、サービスの特徴から犯罪行為に悪用されることも少なくなく、他人とメールのやり取りをする際に悪印象を与えてしまう可能性があったため除外した。(考えすぎかもしれない)

Tutanota は、IMAP を使えないのが少し不便に感じた。

独自ドメインの活用

個人用のメールアドレスでも、独自ドメインの設定は有用である。ドメインさえ契約していれば、メールサービスを変更しても同じメールアドレスでメールを受け取れるというメリットが大きい。

デメリットとしてはドメイン失効時のリスクや更新費用などがあるが、個人的にはメリットのほうが大きいので、独自ドメインを利用することにした。

コストはかかるが、このブログや運用しているサービスと結びつけたくないので、新規にメールアドレス専用のドメインを契約する。

エイリアス生成サービス

調べていくうちに、SimpleLoginというエイリアス作成サービスを知った。

SimpleLogin は、登録するウェブサービスごとに一意のエイリアスを作成することで、本来のメールアドレスを秘匿してくれる。これの何が嬉しいかというと、メールの匿名性はもちろん、スパムメールが届き始めたときにどのサービスから漏れたのか追跡できるのと、エイリアスを無効化することでスパムメールの受信を簡単に止められるというのがある。

デフォルトでは SimpleLogin 側のドメインのメールアドレスでエイリアスを作成する設定だが、$30/年の Premium プランを契約すれば独自ドメインで自由にエイリアスを作成できる。

独自ドメインを設定することのメリットは先述の通りだが、デメリットとしてドメインが個人と結びついてしまうため、匿名性というメリットが薄れる。 それでも私にとっては大きなリスクにならないと考えたので、独自ドメインのエイリアスを利用することにした。

主な競合としてAnonAddyというサービスがある。 SimpleLogin とは異なり、若干の機能制限を設けた$12/年の Lite プランがあるが、独自ドメインが 1 つしか設定できないので除外。Pro プランは$36/年で SimpleLogin より少し高いのでやはり除外。Lite プランで事足りるなら良い選択肢だと思う。

使用感

安心できる個人メールの運用方法を比較的安価に実現できたので満足した。

mailbox.org はサーバーがドイツに置かれている関係で受信トレイの更新に若干時間がかかるのがストレスだが、頻繁に手動で更新する機会はめったにないので許容範囲内。

現状、以前から一部のサービスで使用していた独自ドメインのメールアドレスを変更するのが面倒で、複数のドメインを運用してしまっているが、これを 1 つに絞れば AnonAddy の Lite プランに移行してコストをさらに下げられそうなので、今後の課題とする。

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